
このページでわかること
福岡県内15の市町の補助金・給付金を1つずつ調べて記事にし、金額で並べられるものはランキングに、全市町に状況があるものは早見表にまとめました。
同じ福岡県内でも、市によって中身がまったく違います。ブロック塀の撤去は福岡市の30万円から大牟田市の10万円まで3倍の開き。給食費は小中とも無償が4市、小学校だけ無償が5市、無償化していない市が3つに分かれます。
★そして、判定の基準が市によって逆向きになっている制度もあります。まずお住まいの市がどこに位置するかを、この表で確かめてください。
📌 順位より先に読んでほしいこと
このページの順位は2026年9月時点で各市町の公式ページに載っていた金額で並べたものです。補助金は年度ごとに内容が変わり、予算の上限に達すると年度の途中でも受付が終了します。実際、今回調べた15市町のなかにもすでに受付が終わっている制度や、対象が年2件程度という制度がありました。
また順位が高い=あなたが得をする、とは限りません。補助金には対象になる条件があり、金額が大きい市ほど条件が厳しいこともあります。まず各市町の記事で条件を確かめ、最後は必ず市の公式ページと窓口でご確認ください。
★福津市は、市自身が「実施していない補助金情報にご注意ください」という注意喚起を出しています(2026年7月6日)。市が交付していない補助金を市名つきで載せているサイトがあるためです。このページに載せているのは各市町の公式サイトで確認できたものだけです。
まず知っておきたい|福岡県の制度と、市町村の制度の関係
福岡県の制度は、そのほとんどが「県がお金を出し、受け付けるのは市町村」という形になっています。
★このページを読むときの物差し
- 子ども医療費の県の基準額は、通院が小学生で月1,200円、中学生で月1,600円(対象は中学3年生まで)。県のページに「市町村に対する補助対象範囲です」と明記されており、住民が払う額ではありません
- 市町村がこの基準をどれだけ埋めたかが、そのまま市の差になっています。全額を埋めた市もあれば、県基準どおりの市もあります
- ★県の制度なのに大きな市ほど使えないものがあります。不育症検査費助成などは北九州市・福岡市・久留米市を除く、住みよか事業などは政令指定都市を除く
- ★大学等受験料助成は「町村にお住まいの方」だけが対象です(入試53,000円・模試8,000円)。15市町のうち町なのは大木町だけなので、そこだけが使えます
🧱 ブロック塀の撤去|補助が手厚い市 TOP5
軸は「撤去工事に出る補助の上限額」の1本にそろえています。建て替えや新設への補助は別枠なので、足し合わせて順位をつけることはしていません。
この順位の見方と、いちばん危ない読み違い
16万円が「上限額の上のほう」の相場で、福岡市の30万円だけが突出しています。令和8年度に引き上げられたばかりです。
残りの市町は那珂川市15万円、福津市・糸島市12万円、大木町11万円、宗像市10万9千円、大牟田市10万円と続きます。久留米市も上限16万円ですが、ページの本文が令和7年度の内容のままで、令和8年度の募集告知が確認できませんでしたので順位に入れていません。
★小郡市は、市のページの本文に補助率も上限額も書かれていません。交付要綱には「2分の1・上限109,000円」とありますが、本文で確認できる情報ではないため、この順位には入れていません。
★★いちばん気をつけていただきたいのが、対象になる塀の判定基準です。多くの市は「診断カルテの評点が40点未満」を対象にしていますが、大木町だけは「カルテ70点以上」が対象です。点数が高いほうが危ないという数え方なので、ほかの市の説明を先に読んでから大木町のページを見ると、逆に受け取ってしまいます。また大野城市は点数制ではなく「市職員の診断により危険と判断されたもの」、福岡市は高さで3通りの基準(2.2m超、1.2m超で控え壁なし、1m以上で著しいひび割れ等)を置いています。
面している道路の呼び方も市によって違います。柳川市は「避難路」、大牟田市は「通学路等」、古賀市・大木町などは「道路」。自宅前の道がどう指定されているかで結果が変わりますので、まず市にご確認ください。
🏚 老朽住宅・空き家の解体|補助が手厚い市
軸は「老朽化した住宅や空き家を壊すときに出る補助の上限額」の1本です。エリア限定の上乗せは合算せず、一般的なケースの額で並べています。
この順位の見方
★大牟田市には、条件が合えばこれを大きく超える制度があります。中心市街地活性化エリア内の老朽建築物なら、2分の1・上限75万円に加えて、長屋または木造・軽量鉄骨造以外の構造なら75万円が加算され、最大150万円。今回まとめた15市町で解体系の最高額ですが、エリア限定で、上の順位とは別の制度なので合算していません。
順位に入らなかった市町は、柳川市45万円、福岡市・太宰府市・古賀市・那珂川市・福津市が30万円、春日市が20万円から30万円です。小郡市には老朽危険家屋の解体補助が確認できませんでした。
★「空き家の解体」と「建替えのための解体」は別の制度である点にご注意ください。福岡市・太宰府市・古賀市・那珂川市・福津市・春日市の枠は建替えや住替えに伴う除却が中心で、いま住んでいる家を壊して建て替える場面を想定しています。一方、久留米市・大牟田市・宗像市・大野城市・糸島市・大木町の枠は使われていない空き家が対象です。どちらの場面なのかで、使える制度も金額も変わります。
枠の小ささにも注意が必要です。大野城市は対象が年2件程度、糸島市は第1期・第2期に分けた募集で、第2期を行わない場合もあると書かれています。金額が大きくても、枠が埋まれば受けられません。
🍚 学校給食費|15市町の早見表
順位ではなくそのまま比べられる表にしました。「1食あたり」と「月額」が混在しているので、単位にご注意ください。
※横にスクロールできます
★この表でいちばん誤解されやすいこと
★この表がいちばん誤解されやすいところです。小中とも無償の市が4つ、小学校だけ無償の市が5つ、無償化していない市が3つ、公式で確認できなかった市町が3つという状態です。「福岡県は給食が無償」とも「無償ではない」とも言えません。
★「1食あたり」と「月額」が混在しています。福津市・古賀市・宗像市・春日市は1食あたり、大牟田市・久留米市・小郡市は月額です。1食300円前後と月5,000円前後では10倍以上違いますので、数字だけを拾わないでください。
★糸島市の中学校分は、国の支援がなく市が全額を負担しています。小学校は国と県が月5,200円を支援して市の負担は550円ですが、中学校の月6,830円は市が全部持っています。国の交付金が届く範囲で止めるか、その先まで市が持つかで小中の差が生まれていることになります。
★年度限りの措置かどうかも見てください。筑紫野市の告知タイトルは「令和8年度の学校給食費を無償化します」で、年度ごとの措置として出されています。恒久的な無償化とは書かれていません。
★太宰府市の月額6,290円・7,310円は「市が補助する額」であって、保護者が払う額ではありません。そして保護者負担額そのものは市の公式ページに書かれていません。大木町と那珂川市も、金額も無償化の有無も公式で確認できませんでした。検索で出てくる数字は過去の臨時措置の値である場合がありますので、そのまま現在の金額として使わないでください。
🏥 子ども医療費|通院が何歳まで、いくら負担か
ここは引っ越しを考えている方にいちばん影響が大きいところです。年齢の広さと負担の軽さは別の話なので、2列に分けました。
※横にスクロールできます
★県の基準額を知ると、この表の意味が変わります
★福岡県が市町村に示している基準額を知ると、この表の意味が変わります。県の基準は通院が3歳〜就学前で月800円、小学生で月1,200円、中学生で月1,600円(入院は1日500円・月7日まで)で、対象は中学3年生までです。これは市町村が県から補助をもらえる線引きであって、住民が払う額ではありません。市がここをどれだけ埋めたかが、この表の差になっています。
県基準をそのまま使っているのが久留米市(小1,000円・中1,600円)と太宰府市の高校生世代(1,600円)、全額を市が埋めたのが筑紫野市・大野城市・那珂川市・柳川市・大木町・春日市・古賀市、1段階ずつ安くしたうえで高校生世代まで広げたのが小郡市という読み方ができます。
★福津市だけは入院にも自己負担が残ります(3歳以上は1日500円・月3,500円まで)。ほかの市町は入院を無料にしているところが多いので、「入院は無料だろう」という思い込みが効きません。
★大木町は高校生世代の扱いが独特です。入院だけが無料で、通院には自己負担があり、医療証も交付されません(あとから払い戻す手続きが必要)。
「高校生世代まで」でも中身は同じではありません。春日市・古賀市は負担なし、福岡市・糸島市・宗像市は月500円、太宰府市は月1,600円です。年齢の広さと負担の軽さは別の話だとお考えください。
その市ならではの制度
ランキングや表には入らないけれど、その市を調べていて「これは珍しい」と思った制度を挙げます。
🏙 福岡市|引っ越し先の校区で助成が変わります
- 子育て世帯が市内で引っ越すとき、市が指定した校区へ「新たに」住み替えると、住宅取得費(最大100万円)と家賃(最大50万円)の助成が受けられません
- 指定校区は7区すべてにあります。東区の香椎・千早、中央区の平尾・舞鶴、早良区の西新・高取、西区の姪浜など
- 空き家活用の補助も市街化調整区域の指定既存集落だけで、博多区・中央区・南区・城南区は基本的に対象外です
🏯 太宰府市|まちなみへの補助が桁違い
- 歴史的風致形成建造物の保存修理に3分の2・上限800万円、歴史的市街地の修景に3分の2・上限300万円
- 対象は参道や宮町通りなどの重点区域ですが、生垣づくりの補助は市内全域で使えます
- 補聴器の助成に年齢の上限がありません(18歳以上・非課税世帯)
🌊 久留米市・宗像市|水害への備えにお金が出ます
- 久留米市は止水板の設置に2分の1・上限30万円。平成30年・令和2年の豪雨で浸水被害を繰り返した市です
- 宗像市は浸水対策に2分の1・上限50万円で、止水板だけでなく室外機や駐車場のかさ上げも対象。令和7年8月の大雨を受けて作られた制度とみられます
- ★この2市以外では、止水板の助成が確認できませんでした。水郷の柳川市・大木町にもありません
🎓 大野城市・柳川市|奨学金への向き合い方が対照的
- 大野城市は給付型で「入学一時金+月額」(大学なら入学30万円+月5万円)。15市町でいちばん手厚い内容です
- 柳川市は「借りた奨学金を返す側」を支援。市内就職なら4分の3・年20万円×3年で最大60万円
- 福岡市・筑紫野市・那珂川市の奨学金は貸与型=返すお金です。名前が似ていても中身が違います
🔨 那珂川市・大木町・筑紫野市|ふつうのリフォームに使えます
- 那珂川市は10分の1・上限10万円(省エネ化には太陽光の設置工事も含まれます)
- 大木町は10パーセント・上限10万円、子育て世帯なら20パーセント・上限20万円
- 筑紫野市は10パーセント・上限10万円で、屋根や外壁の塗装、水回り、外構まで対象
- ★逆に春日市は「屋根の葺き替えや外壁塗装に対する補助金はありません」、大牟田市は「居住中の住居のリフォーム補助は実施していません」と公式に明記しています
👵 高齢のご家族がいる方が見ておきたい違い
- ★免許返納の支援は市によってまるで違います。大野城市は運転経歴証明書の手数料1,150円を現金給付(年齢制限なし)+70歳以上に5,000円分。春日市は令和7年3月末で終了、大牟田市・古賀市は市の給付なし
- 対象年齢も違います。久留米市は75歳以上ですが、筑紫野市・太宰府市・宗像市・那珂川市・糸島市・大木町は70歳以上
- ★帯状疱疹の組換えワクチンの自己負担は7,000円から12,000円まで開きます(糸島市・大牟田市が7,000円、古賀市が12,000円、多くは10,000円)
- ★大野城市は定期接種を「はざまの年齢」(66〜69歳など)まで市独自に拡大、那珂川市は65歳以上すべてに拡大していますが、那珂川市は不活化ワクチンの助成が1回のみです
エリア別|福岡県 市区町村別の補助金ガイド
お住まいの市町の記事から、制度の一覧と公式ページへのリンクをご覧いただけます。
福岡市エリア
筑紫エリア
宗像・糟屋エリア
糸島エリア
筑後エリア
まとめ|「隣の市と同じ」と思わないことが、いちばんの近道
15の市町を1つずつ調べて、いちばん強く感じたのは「同じ福岡県内でも、市によって設計がまるで違う」ということでした。
ブロック塀の撤去は福岡市の30万円から大牟田市の10万円まで3倍の開きがあり、対象になる塀の判定基準まで違います。多くの市が「診断カルテ40点未満」を対象にするなかで、大木町だけは「70点以上」が対象。点数が高いほうが危ないという数え方なので、ほかの市の説明を先に読むと逆に受け取ってしまいます。
給食費は小中とも無償が4市、小学校だけ無償が5市、無償化していない市が3つ、公式で確認できなかった市町が3つ。「1食あたり」と「月額」が混在しているので、数字だけを拾うと10倍以上ずれます。
★だからこそ、隣の市の情報をそのまま当てはめないでください。とくに市をまたいで引っ越す方は、いま使えている制度が引っ越し先にあるとは限らないとお考えください。福津市が「実施していない補助金情報にご注意ください」という注意喚起を出しているのも、こうした取り違えが起きているからだと思われます。
一方で、市ごとの差には理由があります。子ども医療費の県基準(通院 小1,200円・中1,600円)を物差しにすると、どこまで市が自腹を切ったかが見えてきます。県の制度と市の制度の関係は、県の記事にまとめました。
金額・条件・受付期間は年度ごとに変わります。このページは入り口として使っていただき、申請するときは必ず各市町の公式ページと担当窓口で最新の内容を確認してください。